現在、週刊ヤングジャンプで連載中の作品である「キングダム」。
アニメや劇場版も人気があり、面白い作品と言えるでしょう。
そんな「キングダム」には趙の王である悼襄王(とうじょうおう)が登場しています。
その悼襄王の史実と原作の違い、無能なのはなぜなのか知りたいんじゃないでしょうか。
なので今回は「キングダム」悼襄王の史実と原作の違い、無能なのはなぜなのかを解説しますね。
史実と原作の違い

キングダム59巻が9月18日に発売される。
表紙はドドーンと王翦がw
掲載話は636話 補給軍の行方~647話 河南の動きまでの11話が収録されると思われる。話は鄴の陥落、李信将軍誕生、悼襄王の暗殺、趙の内乱までか。 pic.twitter.com/OZc2QvTfSk— 将星 (@syousei_1) September 13, 2020
まずは悼襄王の史実と原作の違いについて調査しました。
果たして、どんな違いがあるのでしょうか!?
史実の悼襄王
まずは史実の悼襄王について解説していきますね。
中国戦国時代の趙の第9代君主であり、必ずしも有能ではありませんが、無能でもありません。
そして秦の勢いを何とか止めようとするも止めきれず、紀元前236年に死亡します。
悼襄王が有能と言える点は以下の通り。
- 若手に当たる李牧、学者の龐煖を起用した
- 失敗するも魏に対抗するために、道を整えようとした
- 韓皋の城市を築いた
- 幾つかの国の領土を手に入れ、特に燕相手にはかなり勝利していた
- 基本失敗するも、2度に渡って各国と共に秦を攻めた
- 失敗に終わるも、政の弟の成蟜が寝返った時に機を逃そうとしなかった
そして無能と言える点は以下の通りです。
- 長年の功臣廉頗を追い出してしまった事
- 奸臣である郭開を起用している事
- 秦に領土を奪われまくってしまった事
- 暗愚である跡継ぎの幽繆王こと公子遷を産んでしまった事
主に人事的なところが問題のせいで、趙の凋落をより進ませてしまったと言えます。
逆を言えば、人事をよくしていれば少なくとも無能ではなかったと思いますね。
原作の悼襄王
次は原作の悼襄王を解説します。
描写こそされていませんが、恐らくしている事は史実と変わらないでしょう。
ただ登場シーンだけ見ると、史実よりも無能に見えてしまっています。
ようやく登場した時には、自分が病気で先がない事を理由に好き勝手に振舞いました。
桃泉殿という浴場に浸かる事が多く、政治においても興味がなかったのです。
そのため、李牧が一生懸命秦と戦っているのに、援軍とか派遣しませんでした。
それどころか散々秦を苦しめた李牧の責任を問うて牢に入れ、李牧の部下達の内乱を起こさせたのです。
挙句の果てに、諫言してくる息子の嘉の耳を噛み千切ったりと、本当にやりたい放題。
散々引っ掻き回した挙句に誰かに毒殺され、史実通り遷が即位しました。
この事からも、やっている事が無能以外の何者でもなく、史実を上回る無能ぶり。
なので李牧を始めとした趙の者達から、失望されていたのです。
史実と比べて無能なのはなぜ?

本日はキングダム 59巻の発売日です♪ pic.twitter.com/6CIu8g5KKM— 野島 義隆 (@YoshitakaNojima) September 17, 2020
上記でもわかりますように、「キングダム」原作の悼襄王は史実に比べると無能です。
しかし、どうしてこんなに無能になってしまったのでしょうか。
恐らく以下の理由があるからではないかと思います。
①秦びいきの作品だから
1つ目は「キングダム」と言う作品が秦びいきの作品だからです。
物語は中国を初めて統一する始皇帝こと政とそれを支えた武将信の物語。
そのため、秦に属する者達がメインとなっているのです。
穿った言い方をすれば、他の国よりも贔屓していると言ってもいいでしょう。
そうなってくると、他の国の王はそれほど有能には見せたくないのだと思います。
秦にやられる運命にあるので、有能なのは政だけで十分とされたのでしょう。
他の国の王まで有能にさせてしまうと、かなり苦戦してしまうケースばかりとなります。
なので面白みが欠けてしまうでしょう。
そう言う事なので、必然的に無能になったのだと思います。
②悪役だと見せたいから
「キングダム」と言う物語は、秦が中国大陸を全て統一する物語です。
そんな中で魏、韓、趙、燕、斉、楚と戦っていく事になります。
これらの国の中で、一番戦いが多くて苦戦しているのが趙です。
趙は秦や楚の次くらいに強大な国であり、幾度となく秦の前に立ち塞がります。
そのため、趙が悪役と言っても過言じゃないでしょう。
そんな国の王は傲慢で最悪で無能でふんぞり返っている感じの方が、悪役に映ると思います。
そのため、無能になったんじゃないでしょうか。
③李牧を有能にしたいから
「キングダム」の原作では、趙が最大の敵となって立ち塞がっています。
その最大の障壁と言えるのが、三大天の李牧。
李牧は武力においてはまずまずですが、知略は登場人物の中でも五本の指に入ります。
実際、多種多様の策略を駆使して、秦軍を散々に苦しめて追い詰めていきました。
近年では逆に勝利したりして、趙に大いに貢献しています。
李牧によって秦は王騎、桓騎、王翦軍の主力を失ってしまったのです。
これらの武将達は大将軍クラスに主力クラス武将達ばかり。
なので秦にとっては、彼らを失ったのはかなりの痛手と言えます。
そのため、彼らを葬った李牧はかなり有能と言ってもいいでしょう。
そうなってくると王まで有能になってしまったら、それこそ手が付けられません。
もしそうなったら、趙が主役となってしまうので、原作の趣旨がブレます。
なので李牧を有能にさせると共に、王を無能にさせたんじゃないでしょうか。
④政と対局の存在にしたいから
政と悼襄王は対局の存在と言っても過言じゃありません。
政は趙の街中で生まれ、秦が行った殺戮のせいで虐げられていました。
そのため、かなり荒んで生きる理由を見失うも、紫夏によって立ち直ったのです。
それから王座を巡っての戦いを行い、自ら指揮をとったり、剣を取ったりしました。
このような頑張りを見せたからこそ、王と認められていったのです。
同時に民を思いやり、自分の意思をはっきりと言える存在に成長しました。
対する悼襄王は最初から王の座に就いていて、政と違って苦労はしていません。
自分は王として、普通にこの地位について当然だと言わんばかりだった筈。
その苦労を知らないがゆえに、次第に暗愚へと成り下がっていってしまったのでしょう。
なので政と対局の存在とするために、悼襄王は無能となったのだと思います。
まとめ

9月18日(金)に発売される最新コミックス59巻の表紙デザインです!
カバー絵は、秦国総大将・王翦!!
秦趙連合軍戦もいよいよクライマックス!
「鄴」を巡る両国の攻防が描かれます!!
発売まであと少し!
どうぞお楽しみに!! pic.twitter.com/v9y3L7XRWm— キングダム公式アカウント (@kingdom_yj) September 7, 2020
今回は「キングダム」悼襄王の史実と原作の違い、無能なのはなぜなのかを解説しました。
史実の悼襄王は決して有能とはいいがたいですが、存外無能とも断じれない人物でしたね。
原作の方は史実を上回るほどの無能ではありました。
ただ原作にとってはそっちの方が都合が良かったのかもしれません。
以上で「キングダム」悼襄王の史実と原作の違い、無能なのはなぜなのかの解説は終了です。
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