「蜘蛛(クモ)」の愛称で親しまれ、読者から圧倒的な支持を集める盗賊集団、幻影旅団。ヨークシン編での衝撃的な登場から数十年、物語は暗黒大陸を目指す巨大船B・W(ブラック・ホエール)号へと舞台を移し、彼らはかつてない危機と転換期を迎えています。
「旅団の初期メンバーは?」「今の欠番は誰が埋めているの?」「ヒソカとの決着はどうなる?」
そんな疑問を持つファンのために、本記事では幻影旅団の結成経緯から、全メンバーの能力、そしてコミックス39巻・411話時点での最新状況までを完全網羅しました。流星街という「何も拒まない」場所から生まれた彼らの絆と、死の足音が迫る王位継承戦の行方を読み解いていきましょう。
幻影旅団とは|流星街出身の結成経緯・「蜘蛛」の掟と団長交代のルール
幻影旅団は、団長クロロ=ルシルフルを頭とし、12本の脚(団員)で構成される計13人の盗賊集団です。彼らのアイデンティティは、背中に刻まれた「番号入りの蜘蛛の刺青」に集約されています。
流星街という出自と結成の真実
彼らの故郷は、世界地図から抹消された廃棄物積積地「流星街」。2026年時点での最新エピソード(39巻収録の過去回想)では、彼らが単なる冷酷な殺人集団ではなく、幼少期に演劇ユニット「旅団」として活動していた純粋な少年少女であったことが明かされました。ある凄惨な事件をきっかけに、彼らは「世界を震撼させる悪」を演じる道を選んだのです。この「我々は何も拒まない。だから我々から何も奪うな」という流星街の精神が、旅団の絆の根底に流れています。
「蜘蛛」を存続させるための非情な掟
旅団には、組織を維持するための絶対的なルールが存在します。
- 頭(団長)が死んでも、脚が代わりとなって蜘蛛は生き続けること:団長の命よりも組織の存続が優先される。
- 団員同士のガチの喧嘩は禁止:揉め事はコイン投げで解決する。
- 入団は現役団員を倒すか、欠員を補充する形で行われる。
この徹底した合理性が、旅団を世界で最も危険な A 級首賞金首たらしめている理由です。王位継承戦における旅団の動向については、別途王位継承戦の全体像解説記事も併せてご覧ください。
団長クロロ=ルシルフルと初期メンバー|能力と役割
まずは、旅団の中核をなす初期メンバーと、絶対的リーダーであるクロロについて解説します。
クロロ=ルシルフル(団長)
念能力:盗賊の極意(スキルハンター)/特質系
他者の念能力を盗み、本の中に封じ込めて自分のものにする能力。発動条件は極めて厳しいものの、栞(しおり)を用いた「ダブルフェイス」の登場により、複数の能力を同時発動できるようになりました。2026年現在の彼は、ヒソカに殺害された仲間(シャルナーク、コルトピ)の仇を討つため、かつてない怒りと悲しみを抱えてB・W号を彷徨っています。
マチ=コマチネ(初期メンバー)
念能力:念糸(ねんし)/変化系
オーラを糸状に変える能力。強度は糸の長さに反比例し、1メートル以内なら 1 トンの重量を吊り上げるほど。傷口の縫合や、敵の追跡、糸を罠として張るなど、汎用性が極めて高いのが特徴です。
ノブナガ=ハザマ(初期メンバー)
念能力:居合い・円(名称不明)/強化系
半径 4 メートルの「円」の中に踏み込んだ敵を瞬時に斬る、居合いの達人。強化系でありながら、刀という「物」に依存するスタイルは珍しく、その真の奥義はまだ隠されていると考えられます。
フェイタン=ポートオ(初期メンバー)
念能力:許されざる者(ペインパッカー)/変化系
自分が受けたダメージを糧に、強力な攻撃を繰り出す能力。キメラアント編で見せた「太陽に灼かれて(ライジングサン)」は、周囲を焼き尽くすほどの超高熱を放ちました。
フィンクス=マグカブ(初期メンバー)
念能力:廻天(リッパー・サイクロトロン)/強化系
腕を回せば回すほど、パンチの破壊力が増していく能力。シンプルながら、一撃必殺の威力を秘めています。
フランクリン=ボルドー(初期メンバー)
念能力:俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)/放出系
指先を切り落とし、念弾を連射する能力。覚悟(制約)によって威力が跳ね上がっており、集団戦において最強の制圧力を誇ります。
中堅〜後期メンバーの念能力と現在地
旅団には、特定の役割を担うために加入したメンバーも多く存在します。
シズク=ムラサキ
念能力:デメちゃん/具現化系
意思を持つ掃除機を具現化し、生物以外なら何でも吸い込む能力。「死体」も吸い込めるため、旅団の証拠隠滅担当として欠かせない存在です。念能力の系統に関しては、念能力六系統の理論解説記事で詳しく学べます。
ボノレノフ=ンドゥゴ
念能力:戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)/具現化系
体に開いた穴から奏でる音を力に変える能力。一族の踊りによって、巨大な木星を具現化する「木星(ジュピター)」などの技を繰り出します。現在はクロロと共に行動し、ヒソカ対策を練っています。
カルト=ゾルディック(No.4)
念能力:紙を操る能力(名称不明)/操作系
ヒソカの脱退後に加入した、ゾルディック家の末弟。紙吹雪を用いて敵を切り刻んだり、紙人形で遠方の情報を収集したりします。「兄を取り戻すため」に旅団に入ったと語っていますが、その真意は謎に包まれています。
イルミ=ゾルディック(No.11)
念能力:針を操る能力(名称不明)/操作系
ウボォーギンの欠番を埋める形で、ヒソカからの依頼(自分を殺す依頼)を受けて加入。旅団内にありながら、ヒソカとも通じている不気味な存在です。
死亡・脱退したメンバーとヒソカとの因縁
幻影旅団の歴史は、仲間の死と欠番の歴史でもあります。
死亡したメンバー一覧
- ウボォーギン(No.11):ヨークシン編にてクラピカの「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)」により死亡。
- パクノダ(No.9):クラピカの「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」の制約を破り、記憶を仲間に託して死亡。
- シャルナーク(No.6):天空闘技場での決闘後、能力をクロロに貸した状態でヒソカに急襲され死亡。
- コルトピ(No.12):同じくヒソカによりトイレで急襲され死亡。
ヒソカ=モロウ(元 No.4)
クロロと戦うためだけに旅団を装っていた偽装入団者。天空闘技場での敗北後、死後の念によって蘇生した彼は、「旅団員を全員殺す」と宣言。現在はB・W号内に潜伏し、蜘蛛の脚を一本ずつ刈り取る死神と化しています。
【2026年最新】幻影旅団 メンバー・能力・生死一覧表
現在の旅団の状況を一覧表にまとめました(39巻/411話時点の情報に基づく)。
| 番号 | 名前 | 念能力 | 系統 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | クロロ | 盗賊の極意 | 特質 | 生存 |
| 1 | ノブナガ | (居合い) | 強化 | 生存 |
| 2 | フェイタン | 許されざる者 | 変化 | 生存 |
| 3 | マチ | 念糸 | 変化 | 生存 |
| 4 | カルト | (紙操作) | 操作 | 生存 |
| 5 | フィンクス | 廻天 | 強化 | 生存 |
| 6 | (欠番) | – | – | シャルナーク死亡 |
| 7 | フランクリン | 俺の両手は機関銃 | 放出 | 生存 |
| 8 | シズク | デメちゃん | 具現化 | 生存 |
| 9 | (欠番) | – | – | パクノダ死亡 |
| 10 | ボノレノフ | 戦闘演武曲 | 具現化 | 生存 |
| 11 | イルミ | (針操作) | 操作 | 生存 |
| 12 | (欠番) | – | – | コルトピ死亡 |
王位継承戦(B・W号)での旅団の現在地|ヒソカ捜索の行方
2026年時点の最新展開において、旅団は暗黒大陸を目指す巨大船 B・W 号の第 5 層から活動を開始しました。彼らの目的は、船内に潜伏しているとされるヒソカの殺害、そしてカキン王族の宝を盗み出すことです。
最新の 411 話付近では、旅団はマフィアの三大勢力(シュウ=ウ一家、エイ=イ一家、シャ=ア一家)の抗争に巻き込まれつつも、着実にヒソカの行方を追っています。特にエイ=イ一家の組長モレナがバラ撒く「殺人を推奨する能力」が船内の秩序を破壊しており、旅団はこれに対処しながら上層への進出を狙っています。
団長クロロは「ヒソカの首を獲るのは俺だ」と宣言していますが、ノブナガ、フェイタン、フィンクスのトリオがモレナのアジトを強襲するなど、旅団員それぞれが独自の判断で動き始めています。この「蜘蛛」の分散が、ヒソカにとっての好機となるのか、それとも旅団の新たな結束を生むのか、一瞬たりとも目が離せません。
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名前と元ネタから読む幻影旅団|「ルシルフル」とルシファー・「信長」と桶狭間・「幻影旅団」の字義
旅団の固有名詞には、実在する神話・史実・言葉が下敷きとして見えます。ここでは裏の取れる事実だけを並べ、記事の前半で整理した設定と突き合わせます。
クロロ=ルシルフル|「ルシファー(光を運ぶ者)」を思わせる綴り
団長クロロの姓「ルシルフル」は、堕天使ルシファー(Lucifer)を思わせる綴りです。ルシファーはラテン語の lux(光)と ferre(運ぶ・もたらす)から成る「光を運ぶ者」を意味する語で、もとは夜明け前の東の空へ昇る金星、すなわち明けの明星を指す言葉でした。のちにキリスト教の伝承で、天から堕とされた最上位の天使の名として語られるようになります。旅団という一個の集団の「頭」に立ち、他者の念能力を盗んで自分のものにする「盗賊の極意(スキルハンター)」を操るクロロに、光を掲げて堕ちた者の名が重ねられています。
ノブナガ=ハザマ|戦国武将・織田信長と「狭間」の語
「ノブナガ=ハザマ」の名は、戦国武将・織田信長を想起させます。信長(1534〜1582)は尾張から天下統一へ突き進んだ武将で、桶狭間(おけはざま)の戦いで大軍を率いる今川義元を奇襲で破ったことで知られます。「狭間(はざま)」は物と物の間の狭い空間・谷あいを指す語で、この合戦の地名にも使われています。本記事で触れたとおり、ノブナガは半径 4 メートルの「円」に踏み込んだ敵を居合いで斬る刀の使い手です。刀を携えた武人という設定に、日本の戦国武将の名と、その代名詞ともいえる合戦の地名を含む姓が与えられています。
「幻影旅団」の字義|虚像の「幻影」と軍事編制の「旅団」
「幻影旅団」という名そのものにも仕掛けがあります。「幻影」は実体のない影像・まぼろしを意味し、彼らが流星街の演劇ユニット「旅団」を出自とし、”世界を震撼させる悪”を演じる道を選んだ集団であることに対応します。一方の「旅団」は、本来は軍隊の編制単位を指す言葉で、連隊より大きく師団より小さいまとまり(brigade)を意味する軍事用語です。旅回りの一座を思わせる「旅」の字と、戦闘集団の実態を映す軍事用語の「旅団」。虚像を演じる名と、実在する暴力の編制単位の名が、一つの呼び名に同居しています。
(余談)番号で位置を割り振って並ぶ守備といえば、クリケットには打者の背後、捕手役のウィケットキーパーの脇に扇状に並ぶ「スリップ」という守備位置があります。バットの縁をかすめて逸れた球を捕るための場所で、キーパーに近い順にファースト・スリップ、セカンド・スリップと番号で呼び分けられ、何人を並べるかはその日の球の曲がり具合を見て主将が決めます。球がよく動く日ほど数を増やし、動かない日は減らす。この位置の名は、球が打者のバットから滑り落ちる(slip)のを待ち構えることに由来すると言われています。
筆者の見立て|幻影旅団は「番号で個を消す組織」として作られたが、物語は”個の情”が番号を侵食する方向へ進んでいる
ここからは筆者の読みを書きます。幻影旅団を「絆で結ばれた家族」とだけまとめると、この組織の設計思想を見落とします。筆者は幻影旅団を、個人を「番号」という交換可能な席に変えることで、誰が死んでも組織だけは生き延びるように作られた装置だと読みます。そして物語は今、その番号の論理を”個人の情”が内側から侵食していく方向へ進んでいます。
根拠は本記事で並べた掟と欠番の扱いにあります。旅団の第一の掟は「頭が死んでも、脚が代わりとなって蜘蛛は生き続けること」で、団長の命よりも組織の存続が優先されます。入団は現役団員を倒すか欠員を補充する形で行われ、ヒソカの抜けた No.4 はカルトが、ウボォーギンの死んだ No.11 はイルミが埋めました。番号は人ではなく席であり、席が空けば別の誰かが座る。ここに、個を消して番号だけを残す設計がはっきり出ています。
ところが、その設計は物語の後半で軋み始めています。パクノダは「律する小指の鎖」の制約を破ってまで、自分の記憶を仲間に託して死にました。番号のための死ではなく、仲間への情に殉じた死です。団長クロロは、シャルナークとコルトピという固有名の仲間をヒソカに殺され、「ヒソカの首を獲るのは俺だ」と宣言します。番号の論理なら誰が首を獲っても蜘蛛は満たされるはずなのに、クロロはその首を「俺だ」と私情で独占しました。掟が禁じた私怨が、頭みずからの口から出ています。
王位継承戦で見せた「蜘蛛の分散」も同じ兆候です。ノブナガ、フェイタン、フィンクスのトリオが団長の統率を待たず独自の判断でモレナのアジトを強襲する姿は、頭に従う「脚」ではなく、個々の意思で動き出した人間の姿です。だから筆者は、ヒソカが脚を一本ずつ刈り取るやり方を、蜘蛛という組織を最短で殺す手ではなく、旅団を”番号の組織”から”固有名を持つ個人の集まり”へ引き戻す装置だと読みます。39 巻の過去回想が描いた、流星街で演劇ユニットとして始まった少年少女の絆は、番号を被る前の彼らの素顔でした。仲間の死という痛みを抱えて人間味を取り戻していく彼らは、頭が死んでも脚が動く”番号の蜘蛛”から遠ざかっています。脚が一人の個人として動き出したその瞬間に、幻影旅団はもう、当初設計された交換可能な番号の集合ではなくなっているのです。
まとめ
幻影旅団は、単なる悪役の枠を超えた「流星街の家族」としての絆を持っています。ヒソカという天敵、そして王位継承戦という巨大な渦の中で、彼らがどのような最期を迎えるのか、あるいは生き残るのか。2026 年の連載再開(6月29日予定)により、物語はついにクライマックスへと加速していくでしょう。
「蜘蛛は、頭が死んでも脚が動く」。しかし、現在の彼らは、仲間の死という「痛み」を抱えた人間味溢れる集団へと変化しているようにも見えます。最新話までの情報を整理しつつ、次なる展開を待ちましょう。

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