
「月1エヴァ」の第3弾・第4弾として、11月14日~20日に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、12月12日~18日に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』がリバイバル上映されます。
2007年と2009年に公開されたこの2作品は、TVシリーズを「リビルド(再構築)」するという新たなアプローチで制作され、ヱヴァンゲリオンシリーズに新風を吹き込みました。
デジタル技術を駆使した映像美と、既存の枠組みを超えた物語展開の魅力を改めて解説します。
『序』- ヱヴァンゲリオンのリビルド開始
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2007年公開の『序』が示した新たなヱヴァンゲリオンの方向性と、リビルドプロジェクトの意義について解説します。
TVシリーズからの変更点
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、TVシリーズ第1話から第6話までをベースにしながらも、大幅なリビルドが施されています。
世界観や設定についてはほぼ旧作のものを踏襲しているのですが、旧作オンエア当時十分普及しきっていなかった携帯電話など時代の変化に伴う細かい小物等の描写はしっかりと改められています。
声優の配役も過去のTVシリーズと同じではあるものの、ヱヴァンゲリオンや使徒のデザイン、ネルフやゼーレのロゴマーク等が一新された他、各登場キャラクター達についても、立場や性格などの描写に変化が見られました。
最も象徴的な変更は、第6使徒(ラミエル)戦での「ヤシマ作戦」のシーンで、TVシリーズでは静止画中心だった演出が、流動的で迫力あるアクションシーンに生まれ変わったという点です。
さらには、使徒の名前にも変更点が。
TVアニメ版には、【第3使徒:サキエル】や【第4使徒:シャムシエル】のように、それぞれの使徒には名前がついていました。
しかし新劇場版になってからは一転、使途はすべて【第〇の使徒】という名前に変更されています。
また、レイとシンジの関係性がより自然に描かれ、シンジの心境変化もより分かりやすく表現されました。
デジタル時代のヱヴァ映像表現
『序』では、ヱヴァンゲリオンシリーズで初めて本格的なデジタル制作技術が導入されました。
特にヱヴァンゲリオン初号機の起動シーンや、使徒との戦闘における爆発エフェクト、第3新東京市の精密な背景描写などで、その効果が如実に現れています。
従来の手描きアニメーションの良さを残しながら、デジタル技術で表現の幅を大幅に拡張したことで、よりダイナミックで臨場感のある映像が実現されました。
この技術革新は、後の『破』『Q』『シン・エヴァ』での更なる映像進化の土台となっています。
『破』- 未知の領域への突入

2009年公開の『破』が見せた大胆な物語改変と、新キャラクター導入の影響について分析します。
新キャラクター・マリの登場とその意義
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、シリーズ初の完全新キャラクターである真希波・マリ・イラストリアスが登場します。
ヱヴァンゲリオン仮設5号機のパイロットとして現れるマリは、既存のキャラクター関係に新たな化学反応をもたらしました。
彼女の自由奔放な性格と戦闘スタイルは、それまでのヱヴァパイロットたちとは一線を画しており、物語に新鮮な要素を注入しています。
また、マリの存在により、シンジとレイ、シンジとアスカという従来の人間関係の枠組みが拡張され、より複雑で豊かな人間ドラマが展開されるようになりました。
第10使の徒戦とサードインパクトの危機
『破』のクライマックスである【第10の使徒】(旧第10使徒ゼルエル)戦は、シリーズ屈指のスペクタクル・シーンとして知られています。
レイを救うためにシンジの乗るエヴァ初号機が覚醒する場面では、これまでにない規模の破壊力とカタルシスが描かれます。
特に注目すべきは、シンジの「綾波を返せ!」という言葉と共に発動するニアサードインパクトのシーン。
この場面はTVシリーズを踏襲しつつも、全く異なる展開を見せています。
このシーンにより、新劇場版は完全にオリジナルストーリーの領域に突入し、『Q』以降の予測不可能な物語展開への伏線が張られました。
リバイバル上映で再確認すべき価値

現在の視点から見た『序』『破』の意義と、シリーズ全体における位置づけについて解説します。
新劇場版4部作の出発点としての重要性
『序』と『破』は、14年間にわたって展開された新劇場版4部作の出発点として、極めて重要な位置を占めています。
特に『破』のラストで示されたニアサードインパクトは、『Q』で描かれる14年後の世界への重要な転換点となりました。
2021年に完結した『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』まで含めて振り返ると、この2作品で築かれた世界観と人間関係が、いかに綿密に計算されていたかが理解できます。
リバイバル上映では、結末を知った状態で改めて鑑賞することで、細部に隠された伏線や、キャラクターの心情の変化をより深く読み取ることができるでしょう。
ヱヴァンゲリオンというコンテンツの進化
『序』『破』の制作過程では、庵野秀明監督が「ヱヴァンゲリオンというコンテンツをどのように現代に適応させるか」という課題に取り組んだことが伺えます。
デジタル技術の活用、新キャラクターの導入、物語構成の再編成など、様々なアプローチを通じて、1995年のTVシリーズとは異なる新たなヱヴァンゲリオンの可能性を追求しました。
この実験的な取り組みは、アニメーション業界全体にも大きな影響を与え、デジタル制作技術の発展に貢献しています。
リバイバル上映を通じて、これらの技術的・創作的革新を改めて評価することができます。
SNS上の反応
新劇場版のリバイバル上映に当たり、SNS上では多くのコメントが寄せらました。
ここでは、それらコメントを抜粋してご紹介していきます。
序と破は何度見ても面白い。特に破のラストの衝撃は忘れられない(30代・男性)
マリちゃんの戦闘シーンが大画面で見られるのが楽しみ!(20代・女性)
新劇場版の出発点を劇場で見直せるのは貴重な機会。絶対行く(40代・男性)
まとめ
『序』『破』のリバイバル上映は、新劇場版4部作の出発点を改めて体験する貴重な機会です。
シリーズ完結後の現在だからこそ理解できる細部の演出や伏線も多く、既存ファンにとっても新鮮な発見があることでしょう。
デジタル技術による映像革新と、大胆な物語改変によって生まれた新たなヱヴァンゲリオンの魅力を、劇場の大画面で再確認してみて下さい!
関連情報
エヴァンゲリオン公式サイト
https://www.evangelion.jp/
月1エヴァ公式ページ
https://www.evangelion.jp/30th_movie_fest.html
新劇場版ヱヴァンゲリオン情報
https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=027266
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