宍粟・播磨の城跡 - トピック返信
波賀城跡(波賀町上野)
2010年10月12日 16:19
波賀城のこと


■波賀城蹟

 11世紀の始めの頃までに、私達のこの地域は、伯可荘(はかのしょう)として石清水(いわしみず)八幡宮の荘園になっていました。
 この地には有名な名馬の伝説があります。「その昔、芳賀七郎という武士がおりました。彼は素晴らしい馬を飼っていましたが、ある時そのことが都にまで聞こえ、その名馬を献上せよとの命令が届きました。七郎は名馬を惜しんでそれに従わなかったので、合戦になりました。彼は「馬隠しの穴」に馬を隠して戦いましたが、とうとう力尽きて戦死してしまいました・・・」

 伝説の芳賀氏は、伯可荘の有力者であったと思われ、ここに初めて城を築いたのも、この一族であったものと推測されます。
 13世紀の中ごろ地頭としてこの地に移ってきたのが中村氏や大河原氏です。彼らは鎌倉幕府の御家人で秩父(埼玉県秩父郡)を本拠とした秩父丹党、丹冶氏の一族です。中村氏は初代の光時から戦国時代末期の、吉宗まで20代にわたって波賀城主であったといわれます。波賀城を修理・拡張し、これを拠点にして赤松氏などの支配下で勢力を維持したものと思われます。

 現在の波賀城蹟は、このような歴史を持つ城を戦国時代末期にさらに拡張・整備した時のものと考えられます。羽柴秀吉が播磨を制圧した時に、北の守りの拠点としたものである可能性も考えられます。
 この城は山陽道と日本海側を結ぶ因幡街道や、それと千種を結ぶ街道、三方に通じる街道を眼下にする戦略的な位置にあります。ほとんど独立した山に築かれたために麓から本丸間までの距離が短いので、途中多くの「郭(くるわ)」を作って縦堀をとっています。

 また、西側の小山(古城)にも砦を築き、一体となって敵軍を防ぐ工夫をしています。
復元された城の石垣は中世と近世の中間的な特徴を持ち、全体の縄張りとともにこの城が過渡期のものであることを示す貴重な遺構になっています。

 平成2年3月、波賀町では、地方の時代をめざす、ふるさと創生事業の一環として、波賀城史蹟整備に取り組むことを決め、城蹟整備専門委員会を設置して、文献、古文書など考古学的及び地理的環境からみた波賀城史の調査研究を行う一方、城山の山頂部分を中心とする城郭遺構とその縄張りと、山麓部の製鉄遺構の発掘調査等と行いました。このことから波賀城蹟は、それが波賀城の史蹟の中核であるかぎりだけでなく、裾野の広い史的財産を含んでいることが確認され、城蹟の整備はそれ等の歴史的、文化的遺産の更なる調査と保護をも含めて実施されるものと結論を得ました。このたびその第1期の事業として整備した城山の城蹟公園が、波賀町のシンボルとして、町民が歴史を学ぶ、心のよりどころの場となって、永く後世に活かされてゆくことを祈りつつ城蹟説明の一文とします。
宍粟市(波賀城公園内 説明文)

■波賀城跡
 上野(うえの)城ともよぶ。上野集落東側の字城(じょう)に位置した中世の山城跡。標高457mで、山麓からの比高は220m。国道29号線が山麓を通る。山頂を削平した曲輪の周囲に2段から3段の帯曲輪を設けた小規模な城で、平成3年(1991)に北西部の発掘調査が実施され、隅角部を含む石段と石垣が確認されている。石垣は裏込石がほとんどなく、積み方は織豊期(安土桃山時代)に使用された穴太(あのう)積み以前の室町時代の後期の様相を示す。倒壊した状況で土塀の痕跡も見つかっているが、瓦は出土していない。出土遺跡からは、16世紀末から17世紀初頭に存在したと推定され、「赤松家播備作城記」は中村光時が築城したとするが、中世の資料からは確認できない。山麓には土井という小字があり、ここに城主の居館が存在した可能性もある。(日本歴史地名体系兵庫県の地名1999)

※穴太積み:野面積みを指して昭和初期以降に用いられるようになった俗称であり、穴太衆が手がけた野面積の石垣のことを言う。
参考 ウィキペディア「穴太(あのう)積み」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%B4%E5%A4%AA%E8%A1%86

~城郭築城時期は~
 築城の時期については、中世の文献が少なく限定できないようである。発掘調査では、石積みや出土遺跡から、16世紀から17世紀初頭に存在したと推定されている。それは、地頭であった中村氏・大河原氏が城主となり赤松氏などの支配下で勢力を維持し、戦国末期に整備・拡張したものと考えられている。


※宍粟の逸話 動画「波賀城の名馬」をご覧ください。
http://shiso-sns.jp/blog/blog.php?key=6935


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▼復元された波賀城 ▼城からの展望(西)▼斎木から見た城 

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波賀城跡(波賀町上野) - 10/10/12 16:19 (タケネット)